『平郡の小菊』
■平群町の概要
平群町は、奈良県北西部に位置する生駒郡に属しており、西の信貴・生駒山系で大阪府と接し、東は矢田山系で斑鳩町と、北は生駒市、南は三郷町とそれぞれ接しています。
地形は、西に面積の約3分の2を占める信貴・生駒山地、東に矢田丘陵があり、中央を竜田川が流れており、その地域に細長い平地を形成しています。
東西に5.5㎞、南北に6㎞、総面積は23.9㎢あります。
町名の由来は古墳・奈良時代の有力な豪族平郡氏が本拠地としたところからきています。
また、国宝信貴山縁起絵巻のある信貴山朝護孫子寺や役の行者の修験地で知られた鳴川千光寺など、40寺院、22神社、古墳64基と名所・旧跡が数多くあります。
町全体の耕地面積は317ha、総農家数312戸となっています。
町の基幹産業は農業で販売農家に占める主業農家率は42.9%と奈良県下でも特に高く、特産物は小菊やバラなどの花き類、イチゴ、トマトなどの果菜類、ブドウなどの果樹類があります。
■小ギク産地
西和花卉部会は現在109名、青年部員数は16名、栽培農家は90戸、共撰出荷農家戸数は70戸、栽培面積は約84haあります。
生産者は「西和花卉部会」に所属し、鮮度・品質にこだわった共撰出荷が行われています。
平群町は、標高50m~400ⅿの標高差と自然環境を活かしたキク栽培に適した地域で、
出荷時期は5月上旬~12月下旬、約4,200万本を出荷しています。
5月~11月の期間では、関西市場占有率50%となっており、夏秋期生産の小菊では日本一の産地です。
(露地1)
(露地2)
■産地の歴史
産地としての歴史は古く、明治末期より、花木、草花、球根切花、菊の生産を開始し、以降は輪菊を中心に多種多様な品目を生産されています。
昭和10年代はじめには花づくりの村として関西で広く知られるようになり、昭和50年代に輪菊中心から小菊中心に栽培転換していきました。
昭和59年に一部の出荷市場別のグループで小菊の共撰出荷を開始、昭和61年には小菊栽培面積が拡大、平成13年から出荷市場別グループの合同出荷による小菊共撰の分荷を開始しました。
平成21年に花の産地では全国で初めて地域団体商標登録『平郡の小菊』の認定を受けました。
平成25年に小菊・スプレー菊の出荷市場別のグループ共撰を一元化。
平成28年には花卉集荷場を新設し、低温貯蔵庫を設置して小菊出荷繁忙期には競り日の前々日荷受けを共撰出荷の通期で実施しています。
令和1年には、小菊共撰の新たな出荷市場が2社増えて、11社に拡大しています。
(花卉集荷場)
(低温貯蔵庫)
■小菊担当者から
平郡の小菊は、露地を主体に一部施設を組み合わせた栽培体系が確立されており、5月中旬から12月まで非常に長い期間、安定した新鮮・高品質の小菊の供給を目指しています。
古くからぶどうや桃などの果樹栽培が盛んな地域で、日照量が多く、生駒山系の標高差を利用し、多品種構成(200以上の品種)でリレー出荷の利点を活かし、7月から9月の需要期には安定的な量を供給しています。
生産農家は1戸単位で基本的に生産しており、人手不足しないように地域のパートさんを雇い入れることが多く、地域とのつながりが非常に強く、農家同士のつながりも強く市場のニーズに応じた生産と供給体制がしっかりしています。
近郊産地としての利点を活かし、輸送が早く、集荷場で低温貯蔵庫を利用しているため鮮度が良く日持ちも良い、また草丈が長くボリュームがあるため花束を組みやすく、様々な用途で使うことができることから高く評価されています。新鮮・高品質な『平郡の小菊』を使ってみてください。