愛知県渥美半島の『ディスバットマム』を紹介させていただきます。
『ディスバットマム』とは?
「ディスバット」=除去するという意味の「dis」と脇芽という意味の「bud」を組み合わせた言葉。「マム」=菊のこと。
つまり、蕾を取り除いて一輪にした菊という意味。ディスバットマムは脇芽を除去し、一輪の花に栄養分を集中させることで、大きく豪華に仕立てることができるのです。
今回ご紹介させていただく愛知県渥美半島は、日本の伝統花【輪菊】の一大生産地です。渥美半島が一大生産地となったのは温暖な地域だったことに加えて、昭和40年代に豊川水路が開通された事が大きな理由です。それまで生産量の上位を占めていた沖縄や九州地方をしのいで日本一の生産量を誇っています。
菊といっても様々な種類があり、一本に一輪の花を咲かせる輪菊と、一本に複数の花をつけるスプレー菊に大きく分類されます。
輪菊は和菊とも呼ばれ皇室の家紋やパスポート、硬貨にもあしらわれる日本の国花で高貴な花の象徴とされています。
9月9日の「重陽の節句」は、菊の咲く季節であることから「菊の節句」とも言われ、菊の花びらの浮かべたお酒などを飲むなどし、長寿を祝うという風習もあります。
近年菊の生産数が減ってきている中、そんな伝統の和菊栽培を絶やさぬようにと世の中の需要に寄り添おうと動き出し、2017年より愛知県渥美半島の花き栽培の4部会が参加する新しい出荷ブランド「ALL 4 MUM」が始動しました。
輪菊部会も和菊だけではなく「ディスバットマム」も生産できるようになりました。
ディスバットマムはダリアの様なポンポン菊や、花びらが細長い菊、色鮮やかなもの等様々な種類があり洋菊とも呼ばれ、ブライダルやアレンジメントにも多く使われるようになっています。
今までの菊のイメージとは異なり華やかで、とても豪華なものになっています。「菊」=和花・仏花という概念を覆し、たくさんの可能性を見出してくれるのが『ディスバットマム』です。